空港で手招きする人

 某地方空港での出来事。

 その日は出張のため、7:30頃に出発する朝一の飛行機で東京に移動するため、いつものように朝ご飯は食べずに家を出た。空港に到着後、皆が搭乗口のある2階に移動する中、朝食を調達するため1階のコンビニに向かった。普通ならどこぞの店でモーニングでも食べたりするのであろうが、経費削減のため、よく1階にあるコンビニで弁当を買って、そのまま1階の到着ロビーで食べていた。

 他の飛行機の到着もまだまだなので、到着ロビーにはだれもいない。いつものように設置されたテレビでニュースを見ながら弁当を食べていた。すると、まだ開いていない到着口のガラス扉の向こう側で、空港職員の女性がガラス扉をノックしてこちらを見ていた。

 「えっ。なに?」と思って見ると手招きしている。

 他にだれもいなかったが、念のため手招きしている人が自分のことなのかと確認するため、自分を指さしてみると。うなずいている。どうやら自分をよんでいるようだ。

 なにか罠でもあるのか、それともどっきりか?と思いながら近づくと到着口の自動ドアの隙間から話かけてきた。

「すいません。閉じこめられてしまって出られないので伝えて貰えませんか。中からは開けられないんです。」

 そんなことあるんだと思いながら了解したことを伝えて、急いで2階の搭乗口付近にいた職員に1階で女性が閉じこめられていることを伝えた。

 その後、すぐに手荷物検査場を通り、搭乗待合室に進んだため、結局その閉じこめられた人がどうなったかは知らないが、多分出られたんだと思う。

 出張していると色々と不思議な体験をすることがある。思い出したらまた書いてみたい。