そんなに嫌なら走るな!事件
中学2年の時、私は陸上部の長距離パートに所属していた。練習はほぼ毎日、授業が終わった後のグランドで行われていた。先輩や後輩達と楽しく練習をしていた。この頃は体もどんどん成長していたので、特に追い込んだ練習を繰り返さなくてもどんどんタイムは延びていっていた。
一般に陸上部員というのは出された練習メニューに対して、ちょっときつめの練習だと「えー走れん」とか、「今日はきついなー」とかすぐに口に出す人が多い。しかし実際に練習がはじまるとそんなこたあ忘れて、すぐに練習に集中するものである。私たちのパートもそんな雰囲気があった。前置きはこれぐらいにして本題に入りましょう。
ある秋の涼しい日の放課後、いつものようにアップ、体操、流しをして本練習に望む準備ができ、メンバーが集合して陸上部顧問のN先生から練習メニューの発表があった。
「えー、今日の練習は 1000m-2000m-1000m をやる。タイムは・・・・」とおっしゃった。
すると私たちは、
「1000-2000-1000(せん にせん せん)そうか、まず、しない(せん)でそれから 二千をしない(せん)か。じゃあ今日はなにもやらんでええやん。ハッハッハッ・・・・」と笑って話していた。すると「そんなにやりたくないんなら走るな!!!」
N先生は一喝した。その時みんなの動きは止まった。みんな心の中では冗談なのに・・・と思っていただろうが、普段めったに怒らないN先生の怒った顔にその日ばかりは何も言わずに練習したのだった。冗談でも時と場合では冗談じゃなくなることを学びました。 おしまい