本人 5区 区間3位
この年の光支部は通信陸上1500m全国2位の選手や、他にも数人の全国レベルの選手を主軸に、ほとんどが県内ランキング10位以内の選手がそろい。ここ数年でも最強のチームと言われていた。優勝するのは当たり前、大会新記録を出せるかということに関心は移っていた。大会の前日、湯田温泉街の宿舎に到着すると部屋割りが行われた。そこでは風邪気味の人達と、元気な人達に部屋が割られた。私は元気組だったのだがこの部屋でちょっとした事件が起こったのだった。
宿舎への入りが早かったのでみんな暇を持て余していた。外は雨が降っててみんな部屋でしゃべったり、音楽を聴いたりしていた。そこにチョコレートを持ってきていた人がいたので、みんなで食べていたのだった。そこに名物監督のY先生が入ってきたのである。
先生は私たちがチョコを食べているのを見てものすごく怒った。他の付き添いの先生たちも集まってきて説教が始まった。強いチームでは関心も高くなるのか付き添いの先生の数は、選手の人数10人より多かった。Y先生はひどく怒っていて、私たちに言った一言が今でも忘れられない。
「お前ら別に明日走らんでもええんぞ。わしらにゃ関係ないんだからな。」
優勝確実と言われ3連覇のかかっているチームに、平気で「走らんでいい」とか「関係ない」とかそりゃないだろうと思いましたね。でも名物監督は怖いと相場が決まっているので、みんなしーんとして聞いていました。
そんな感じでしたが、大会の方は1区から独走で、終始2位に1分前後の差をつけての優勝でした。もっとも大会新記録までには及びませんでしたが・・・
がーんと突き放されると、「ちょっと待ってくれ」という気持ちになるんですね。